グラウンドデータを比較するにあたり
セントラル・リーグ6球団の各本拠地球場のグラウンドデータを比べてみました。
単にカタログ数値で比較するのでは、それぞれの球場が持つ特徴が見えにくいので、視覚的に多少なりともわかりやすくはならないかと工夫してみました。
はんけい(地図を使って半径を調べるサイト)を使用して球場内に円を配置しています。この円は直径122メートルあり、およそ本塁から中堅までの距離を示します。プロ12球団が本拠地としている野球場の内、8球場が122メートルであることからこれを基準としました。
この円があることで、両翼から中堅にかけてのフィールド形状が球場によって様々だということがわかると思います。
しかしながら、円の配置はアナログ的手法でアバウトなものです。誤差やズレがあることを前提にごらんください。
東京ドーム
グラウンドデータ
球場規模 グラウンド面積:13,000 m²
両翼 – 100 m (約328.1 ft)
中堅 – 122 m (約400.3 ft)
左右中間 – 110 m (約360.9 ft)
フェンス 4.24 m(約13.9 ft)
明治神宮野球場
グラウンドデータ
球場規模 グラウンド面積:12,659m²
両翼 – 97.5 m(約319.8 ft)
中堅 – 120 m(約393.7 ft)
左右中間 – 112.3m
フェンス 3.3 m (約10.83ft)
ラバーフェンス:1.8 m
金網フェンス:1.5 m
横浜スタジアム
グラウンドデータ
球場規模 両翼 – 94.2 m(約309.1 ft)
中堅 – 117.7 m(約386.2 ft)
左右中間 – 111.4 m (約365 ft)
グラウンド面積 – 12,284 m²
屋内練習場 – 963 m²
フェンス 5.0-5.3 m (約16.4 ft)
ナゴヤドーム
ナゴヤドームの内部のデータがグーグルマップで取得できないため、1996年まで中日ドラゴンズの本拠地球場で、ナゴヤドームのグラウンド規格に合わせて改修されたナゴヤ球場の画像。
グラウンドデータ
球場規模 両翼 – 100 m (約328.1 ft)
中堅 – 122 m (約400.3 ft)
左右中間 – 116 m (約380.6 ft)
グラウンド面積 – 13,400m2
フェンス 4.8 m (約15.7 ft)
阪神甲子園球場
グラウンドデータ
球場規模 グラウンド面積 – 約13,000 m2
両翼 – 95 m (約311ft)
中堅 – 118 m (約387 ft)
左右中間 – 118 m (約387 ft)
フェンス 2.6 m
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
グラウンドデータ
球場規模 グラウンド面積:12,710 m²
左翼 – 101 m (約331.4 ft)
左中間 – 116 m (約380.6 ft)
中堅 – 122 m (約400.3 ft)
右中間 – 116 m (約380.6 ft)
右翼 – 100 m (約328.1 ft)
フェンス 中堅周辺 – 2.5 m(約8.2 ft)
(ラバーフェンス:1.8m + 金網フェンス:0.7m)
左翼 – 3.6 m(約11.8 ft)
右翼 – 3.4 m(約11.2 ft)
まとめ
公認野球規則2.01に、両翼は320フィート(97.534メートル)以上、また中堅は400フィート(121.918メートル)以上あることが優先して望まれると規定されている。
この規定には注記があり、1958年6月1日以降にプロ野球球団が新設する球場は、両翼325フィート(99.058メートル)、センター400フィート(121.918メートル)以上なければならないとし、既存の球場を改修する場合もこの距離以下とすることができない旨を定めている。ただし、日本においてはこの規定を満たさない球場が1958年6月1日以降も多数誕生しており、プロ野球球団の本拠地球場でも規定を満たしていない球場が見られる。
2009年現在(おそらく2016年現在も)、公認野球規則2.01の付記(a)で規定された規格を充足しないのは神宮、横浜、甲子園だそうだ。
しかし、甲子園球場の左右中間の118メートルという懐の深さは、両翼と中堅が規格を満たしていないとはいえ他の球場には見られない独特な広さ、大きさがある。
一方、数値上の規格は満たしているものの左右中間の膨らみがない分、東京ドームは意外と狭い。
神宮球場は大正時代からものであり、これまでに何度も改修工事で手が加えられてきたが、現行の基準から見ると若干狭い。
横浜スタジアムは神宮球場よりももう一回り小さい感じ。拡張しようにも都市公園法上の建ぺい率制限がかかるらしい。
ナゴヤドームはグラウンドデータでみるとマツダスタジアムとほぼ同じであるが、外野のフェンスが4.8メートルもある。二次元だけでなく、高さを含めた三次元でグラウンドデータをみるとまた違った球場の特徴が見えてくる。
マツダスタジアムは左右非対称型。左右両翼の距離の違いだけでなく左翼と左中間の直線的な形状と、右翼と右中間の曲線的な形状の違いも画像からわかる。
東京ドーム、横浜スタジアム、マツダスタジアムはグラウンド内をストリートビューで歩いてみると面白い。普段目にすることが出来ない選手の目線で球場全体が見渡せる。
また、東京ドーム、甲子園はスタンドに通じる通路内も見て回ったり、マツダスタジアムでは内外野一周の眺めをコンコースから楽しむこともできる。
ペナントレース中であれシーズンオフの時であれ、お暇な時にでもお楽しみください。
引用
各グラウンドデータはウィキペディア日本の野球場一覧より各球場のデータを掲載しました。
コメント
[…] 参考文献 野球場を比べてみた(セリーグ編)野球観戦のお伴にどうぞ グラウンドボールピッチャーWikipedia 12球団のパークファクター DELTA-UZR 藤田一也選手「天然芝だからこそ自分の守備 […]
直径122mの円を描いた場合1991年までのプロ野球シーズンおよび高校野球の夏の甲子園で言うと、ラッキーゾーンの金網の位置ってその円に沿っていることが分かる気がしますね。実際はラッキーゾーンは最後より数年前くらいにスタンド側に下げたようなことが言われてた気がします。ブルペンでも2投手が投げられるくらいの幅はあったようですね。
ラッキーゾーンがあったころは、あと1,3塁線をゴロで抜けて言った打球がファウル側フェンスをこすりながらバウンドし、ラッキーゾーン内に入ってしまうエンタイトル2塁打も少なくなかったみたいですね。
コメントありがとうございます。YAKYUJO.com(http://yakyujo.com/)と言うサイトをご存知ですか?日本の新旧野球場のみならず、メジャーの野球場等の二次元での広さを視覚的に比較できます。
ラッキーゾーンが設けられていた頃の甲子園球場はフェアゾーンに於いて当時のナゴヤ球場、広島市民球場や神宮球場、現在に至る横浜スタジアムと同程度の広さであったことが分かります。それらに比べ後楽園球場は、、、。実際にサイトで確認してみるといろんな発見があって面白いですよ。
YAKYUJO.com より