「子供の科学」に掲載されていた、1970年前後のラジオ製作記事をもとに、回路図や実態配線図を分かりやすく再構成して実際に作られたものをWEB上に公開されているサイトがあります。
自分も子供の頃、鳴ったか鳴らなかったかは別にして「子供の科学」のラジオを作った経験があります。
懐かしさと共にいくつか作ってみました。
ゲルマニウムラジオでもこれくらいは受信出来る!
さて、本題の子供の科学のラジオに入る前に動画をご覧ください。
ゲルマニウムラジオで北京放送を受信した時のものです。
ゲルマニュウムラジオは同調回路(コイルとバリコン)にゲルマニウムダイオードを加えただけで構成されているのだから、正月に作ったAMループアンテナにゲルマニウムダイオードを直結したら、それはそれでゲルマニウムラジオになるのではないかと実験した結果がこの動画です。

地元広島のNHKラジオ第一(1071KHZ)、第二(702KHz)、RCC(中国放送 1350KHz)は当然として、夜になると北京放送(1044KHz)が強力に受信できます。
広島のNHKラジオ第一が1071KHzで、バリコンのダイヤルを少し左に回したところに1044KHzの北京放送があります。
30KHz程度しか離れていないので混信の恐れがあるのですが、思いのほかAMループアンテナの指向性が混信を弱めてくれています。

1石トランジスタラジオを「プリングルズの『絶対もらえる!!』スピーカー」で鳴らしていた頃は、ゲルマニウムラジオもパソコンに接続されたLANケーブをアンテナ代わりにしていたのですが、上の動画ではAMループアンテナのみです。
と言うことで、ゲルマニウムラジオと比べて子供の科学のラジオの出来がどうなるのか、我ながら非常に楽しみです。
電波を受信して聞かなくても、北京放送もインターネットで聴ける時代になりました。
何故か私のパソコンでは、Microsoft Edgeだと音声が再生できるのですが、Google ChromeやFirefoxでは再生できませんでした。
#1 1石・トラ検 バラック・ラジオ:早速、パーツが手に入らない。
ラジオを作ろうとパーツを買い揃えようとしたのですが、いきなり手に入らないパーツが現れました。
最初に取り上げられている「1石・トラ検 バラック・ラジオ」ではNo.88豆コイルが手に入らないのです。
メインのパーツとなるトランジスタは代替品で何とかなりますが、何とかならない物もこの先色々と出てきそうです。
無いものはしょうがないので、No.88豆コイルはバーアンテナを代用することにしました。
掲載記事のラジオとは少し別物にはなりますが、今回はこれで行くしかありません。
愛猫が見守る中、実験してみました。
ループアンテナを作った時に余った電線をアンテナにしてやると、NHKラジオ第二とRCCが受信できますが、NHKラジオ第一は受信できませんでした。
電線アンテナを取り外すと何も聞こえません。
AMループアンテナを近づけて、同調させてやると各局受信できます。NHKラジオ第一もきれいに受信できましたし、夜の時間帯ではゲルマニウムラジオ同様、北京放送も受信できました。
少々乱暴ではありますが、ここでもAMループアンテナを直結してみました。
すると圧倒的な音量とクリアーな音声になります。しかし、この方法だと音は大変良いのですが、分離が悪く北京放送はNHKラジオ第一に飲み込まれてしまいました。
残念ながら、AMループアンテナ直結のゲルマニウムラジオの方がシンプルでパワフルでした。
#2 1石・高1イヤホン豆ラジオ
これは「#6 1石・バラック高1イヤホンラジオ」と高周波チョークコイルの値が違うだけで全く同じものです。
高周波チョークコイルの値の違い(2mHと4mH)でどれだけ違いがあるのかは、聴感上ではわかりませんでした。
こいつは外部アンテナなしでバーアンテナだけの状態でも、それなりの音量があって聴きやすいです。
しかし、全編に渡ってNHKラジオ第二(702KHz)しか受信できません。
アンテナをSL-50GTからPA-63Rに交換してみました。
低い周波数で発振することがあるものの、概ね良好にローカル局は受信できます。
NHKラジオ第一(1071KHZ)、RCC(中国放送 1350KHz)は混信し合うのがちょっと残念。
微弱ながら北京放送(1044KHz)も受信できますが、バーアンテナだけではNHKラジオ第一(1071KHZ)の勢いに負けてしまいます。
もちろん、AMループアンテナを併用すれば問題は解決します。
バーアンテナもいろいろあって、複数出ている線の意味がさっぱりわからなかったのですが、習うより慣れろで何となく扱い方が分かってきました。
SL-50GTとSL-45GTは細いリード線が有るか無いかで、元は同じものでした。
アンテナをPA-63Rに交換後、またSL-50GTに戻して受信状況を再確認しよとしたのですが、アンテナを繋ぎ替える際、「#1 1石・トラ検 バラック・ラジオ」と混同し「#1 1石・トラ検 バラック・ラジオ」で用いられている2次コイルを使う繋ぎ方にしてしまいました。
しかし、この繋ぎ方が意外にも「#2 1石・高1イヤホン豆ラジオ」と相性がよく、PA-63Rでは受信できなかったAFN岩国(1575KHz)がRCC(中国放送 1350KHz)と混信しながらも、はっきりと受信が確認できました。
全体的に分離が悪く混信気味で、この程度の簡易なラジオですと仕方がないのですが、確実にワンランク以上は受信感度が上がりました。
もうちょっと色々試してみたくなるラジオです。
#7 簡単な回路でやさしい-直結式2石イヤホン・ラジオ:TBSラジオを受信する。
これはトランジスタを二つ使用している。
どうして二つ使用しているのかとか、解説がないと何が何やらさっぱりわかりませんが、小さなブレッドボードに取り敢えずどんなものか組んでみました。
まだまだ作りが雑ではありますが、こんなものでもラジオになります。
AMループアンテナを併用して、根気よくダイヤルを回していくとTBSラジオが受信出来ました。
NHKラジオ第一(1071KHZ)から北京放送(1044KHz)へ。それからまだまだダイヤルを低い周波数に向けて回すと、電波状況が良いと1008KHzのABC朝日放送が聴こえてきます。次に強い電波の韓国局がいくつかあります。そこを過ぎたあたりで954KHzのTBSラジオにたどり着きます。

先に作ったラジオも同様で、音量があると言ってもイヤホンで聴く分にはそれなりの音量であり、過度の期待は禁物だと言うことを付け加えておきます。
今回のまとめ
最近まで回路図などは難しいもので自分には理解不能なものだと決め込んでいましたが、よく見ると実物のパーツを記号で簡略化しているだけで、その気になればそれほど難しいものではないことに気付きました。
まだ簡単なものしか作れませんが、少しずつ足りないパーツを買い揃えながら、また子供の科学のラジオを作ってみようと思います。
簡単なものでもアンテナを工夫してやれば、地元のローカル局は確実に受信できますし、少しばかり遠方の放送局も受信できます。
私の場合、自作のAMループアンテナのおかげでラジオがひとつ出来上がれば、1~2日はそれだけで楽しめちゃいます。
組んだラジオが一発で鳴るということはまずありませんが、回路図と照らし合わせながら、パズルでも解くかの様に試行錯誤の連続が面白いです。
それにしても過去の「子供の科学」に掲載されたラジオを作られ、ひとつひとつ回路図や実態配線図をまとめられた管理人さんは凄いですね。
全てのラジオをケースを加工して仕上げていらっしゃる。
それもきれいに丁寧に。
私には絶対まねのできないことです。
これからも参考にさせて頂きます。
コメント
#1#2とも高周波チョークコイル2mH、4mHどちらも安定して受信できてよかったですね。このくらいの容量のチョークコイルは分布用容量と浮遊容量で中波帯で共振して発振して手が付けられないことがあります。