「Stereo編 これならできる特選スピーカーユニット パイオニア編」の特別付録6cm型フルレンジ・スピーカーユニットとの組み合わせを狙って作られたQWT型エンクロージュア・キットを組み立てました。
順を追って製作過程を紹介します。
エンクロージュア・キット内容の確認
パッケージを開けてキット内容を確認します。
各パーツきれいに切り出され、スピーカーやターミナル部分の開口はもちろん、取り付け用のビス穴まで開けられ、底板には斜めに取り付けられる仕切り板用にホゾまで切られている。
スピーカーターミナルや吸音材、その他諸々必要なものは全てそろっており、至れり尽くせりのキット内容です。
全体の感じをつかむため各パーツを側板の上に並べてみた。
その気になればすぐにでも出来そうな予感。
分割パーツの貼り合わせ
底板のホゾに嵌まり込み斜めに取り付けられる部分は一枚板でも良いようなものだが、経費削減のためか材料取りの関係で二枚を突き合わせて接着するようになっている。
作り方は人それぞれ色々あるとは思いますが、私は先に2枚を貼り合わせてひとつのパーツにしました。
テープで仮止めして木工ボンドで接着。
強固に接着するためにハタガネを使用。はみ出たボンドは固く絞った濡れ雑巾でふき取ります。
側板をベースに前板を接着
前板の上下を間違えないようにして、側板に接着。内部にはみ出た木工ボンドは面倒くさいので拭き取らなかったのですが、この後組み立てていく天板と底板が関係する上下端部だけは拭き取りました。
まだ使用しないパーツで高さを揃え、最後に貼り合わせる側板で全体を覆います。
圧着のために上から重石となるようここでは古新聞の束で重量をかける。
しばらくこのままで接着が落ち着くまで待ちます。
ところで、木工用ボンドにも速乾タイプのものがあります。
速乾タイプは瞬間とまではいきませんが、従来品に比べて2倍のスピード接着が可能みたいです。
今回使用しているのは従来のもの。これくらいの工作ならどちらでも構わない感じですけど。
天板と底板の接着
ここは一気に天板と底板を取り付けました。
写真で言うと横方向(左右)はハタガネで圧着。まだ使用しないパーツを当木にしたりして接着面全体に力が加わるようにしています。
前工程と同じように側板で全体を覆い、再び古新聞を重石代わりにして十分に接着が完了するまで待ちます。
裏板と背面ダクト部分の接着
スピーカーの入力ターミナルが取り付けられる裏板と背面のダクトとなる部分の板材を接着。クランプでしっかり圧着。
吸音材用ろ過マットをカット
裏板と背面ダクト部分の接着が落ち着くまで、吸音材として購入した観賞魚の水槽に使用するフィルターを冊子の説明に従い、12×38cmのろ過マットを6×19cmの4つにカット。
上がキット付属のマット。下がホームセンターで購入した観賞魚の水槽用ろ過マット。
二つの違いがどれほどのものか聞き比べたいところですが、完成させてしまうと吸音材を取り換えることはできない。
ここはスピーカーシステムを設計された方の解説を頼りに、観賞魚の水槽用ろ過マットの効果に賭けてみようと思います。
配線コード接続部分の違いに注意
これは内部配線用ケーブル先端部なのですが、右上の赤のリード線の先端部は他のものより大きいのが分かります。
なぜこうなっているのか分からなかったのですが、スピーカーの配線接続部を見ると理解できました。
スピーカーのプラスとマイナスの接続部の大きさが違います。極性の誤配線を防ぐためかと思われます。
音道の仕切り板に配線コードを通す際に注意が必要です。箱をすべて組んでしまって、後から面倒なことにならないよう気を付けようと思います。
音道の仕切り板等の接着
裏板と背面ダクト部分の接着が落ち着けば、側板一枚を残して音道の仕切り板の配線穴の向きや、傾斜板の角度に注意しながら全てを接着。
木工ボンドはケチらずはみ出す位にたっぷりと。完成後、目に付く表面にはみ出たボンドは水に濡らして固く絞った雑巾できれいにふき取ります。
最後に貼り合わす側板で全体を覆い、これまでと同じように古新聞を重石にして圧着。
入力ターミナルを取り付けと吸音材の充填
配線ミスのないよう入力ターミナルを取り付け、吸音材のろ過マットを分割したものを充填。
効き目があるのかないのかよく分からないようなケーブル穴を塞ぐためだと思われるパッキングも貼り付けた。
最後に側板を取り付ける。
組み立てに関してはこれで完了。
サンドペーパーで目違いの修正
接着面の微妙な段差をサンドペーパーで擦り合わせた。
サンドペーパーはべニア板の切れ端を当て木に両面テープで貼り付けている。
最終的に塗装仕上げにする場合は下地をきれいに整えた方が良いのかもしれませんが、ここではとりあえず擦り合わせた程度。
ついでに角の部分も軽くこすって面取りをしました。
今回、作業当日降雨のため仕方なく屋内で作業をしましたが、こういった作業は家の中でやると細かい粉塵が舞って大変なので、できれば天気の良い日の屋外で行いたいものです。
スピーカー接続、取り付け
いよいよスピーカーユニットの登場。やっと最終段階にやってきました。
しかし、入らない!スピーカー口径に対してマグネット口径が大きいためか、スピーカーが開口部に収まらない。
穴を広げるなり、配線の接続部分あたりがストンと入り易くするために加工しようかと思ったのですが、
配線の接続部分を先に内部に押し込んでやると、ぎりぎりスピーカーを収めることが出来ました。本当にぎりぎりでした。あと1ミリでも開口径が小さければ、入らなかったかもしれません。
下手に穴を加工するとスピーカーを取り付け後にも、加工部分が見えてしまう可能性もありました。慌てて余計なことをしないで何よりでした。
スピーカーのビス止めは慎重にゆっくりと。ドライバーを滑らせてコーン紙を傷つけたりしたら目も当てられません。
QWT型エンクロージュア・キットを作り終えて
これで一応スピーカー工作はひとまず終わりです。
初めてのスピーカー工作でしたが、パーツ点数も少なく、何より寸法精度が高いキットと言うこともあり難なく仕上げることが出来ました。
製作に要した時間は三日間(一日の作業時間は一時間程度)。楽しみながら作ることが出来ました。
これで真空管アンプとスピーカーは準備できました。後は音源を再生する機器や、それらをつなぐケーブルの類を何とかせねばなりません。
音出しまではもう少し時間がかかります。
口径わずか6cm足らずのスピーカーからどんな音が出るのでしょうか?
期待は膨らみます。
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